仕事を頑張ったとき、目標を達成したとき、ボーナスをもらったときなど、たまには自分にご褒美をあげたいと思いますよね。そんなとき、普段買わないような高級時計を真っ先に思い浮かべる人は少なくないでしょう。特に、マニアックな機械的時計なんかはうってつけかもしれません。
ただ、機械式時計にせよクォーツ式時計にせよ、時計は精密機器であるということを忘れてはいけません。特に機械式時計は、電池ではなくゼンマイが動力となるため、しっかりとメンテナンスしなければ、すぐに故障してしまったり、時刻がずれやすくなったりします。
メンテナンスの際、絶対にしてはいけないのが、自分で時計を分解して部品を外し、ムーブメントの部分を触ることです。時計の内部には、何十種類もの部品が使われています。本当に詳しい知識をもったプロの方でなければ、内部のお手入れや組み立てを行うことはできません。また、内部を触ることで、ほこりや皮脂など余計な汚れをつけてしまうことになりかねません。
時刻のずれが大きくなったり、汚れが目立ち始めたときには、プロに「オーバーホール(分解清掃)」を依頼しましょう。特にトラブルが起きなければ、2~4年に一度の頻度で定期的にオーバーホールをするだけでもかなり長持ちするはずです。
定期的にオーバーホールを行うことはもちろん大事ですが、機械式時計のメンテンナンスにおいて最も大切なのは、「扱い方に注意すること」と「日々のお手入れを怠らないこと」という二点において他なりません。高級時計は一生ものであると言っても、過言ではないでしょう。自分の時計に愛着をもって、毎日きちんとケアしてあげることが大切です。
ポイントの一つである「扱い方」に関してまず注意すべきことは、運動やスポーツなど激しい動きをする際には極力着用しないよう心掛けるということです。また、水気のある場所でも注意が必要です。リューズの隙間から内部に水分が入ることで、リューズやゼンマイがもろくなり、破損してしまう恐れがあります。時計は精密機器だということを忘れないようにしましょう。また、スマートフォンやパソコンなど、磁気を発生するものの側に時計を置かないようにすることも大事です。部品が磁気を帯びると、時刻がずれやすくなってしまいます。
二つ目のポイントである「日々のお手入れ」としては、眼鏡拭きや柔らかい布で、ケースやガラスの部分を頻繁に拭いてあげるよう心掛けましょう。特に、毎日時計を身に着けている人であれば、外したあと、毎日必ず一度は拭き上げる習慣を身につけるといいかもしれません。手間ではありますが、時計の調子を保つためには、日々の細かいメンテナンスが欠かせないのです。